WYMM Tour: Tokyo
日時:2026年10月29日(木) 09:30 – 17:00
オックスフォード・ナノポアテクノロジー社のユーザーグループ・ミーティング "What you're missing matters (WYMM) 2026" を東京で開催いたします。
今年は「ナノポアが拓く次世代のマルチオミクス解析」というテーマで、オックスフォード・ナノポアシーケンスの様々な活用例を、第一線でご活躍の研究者からご講演いただきます。
ナノポアの技術で、構造変異やメチル化を包括的に把握し、ずっと取り組みたいと考えていた大胆な研究課題にチャレンジし、ヒトゲノムやがんゲノムの未知の答えを一緒に探り出しましょう。希少疾患のヒトゲノムからがん研究のシーケンシングなど、最新のご講演のほか、製品展示、ナノポアコミュニティーと交流できる意見交換会、ナノポア専門家と相談する機会などが含まれます。
本イベントの参加費用は無料ですが、事前登録が必要で座席数に限りがあります。昼食と軽食が提供されます。対面式のイベントです。
参加登録後、events@nanoporetech.com から登録完了の電子メールを送信させていただきます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
Speakers
ヒトの遺伝的多様性を単一の線形リファレンスゲノムのみで十分に表現することには限界があり、特に複雑ゲノム領域ではその影響が顕著である。Japan Pangenome Projectでは、ロングリードシーケンスおよびTelomere-to-Telomere(T2T)ゲノムアセンブリを活用し、日本人集団におけるゲノム多様性をより包括的に捉えるためのパンゲノムリソースの構築を進めている。これにより、従来のショートリード解析では十分に評価することが困難であった領域を解読し、これまで見過ごされてきた配列、構造多型、高度に多型的な遺伝子座の実態を明らかにすることが可能となる。 本講演では、高品質な日本人パンゲノムリソースの構築と、それを集団規模のT2Tゲノム解析へと発展させる現在の取り組みについて紹介する。また、Oxford Nanopore Technologiesを含むロングリードシーケンスが、従来のリファレンスゲノムを前提とした解析の限界をどのように克服し、複雑なゲノム多様性の解明に貢献し得るかについて述べる。 さらに、パンゲノムおよびT2Tゲノム解析の臨床ゲノミクスへの応用可能性について議論する。集団特異的なパンゲノムリファレンスと大規模な疾患ゲノムデータを統合することで、医学的に重要でありながら解析が困難であった領域におけるバリアント検出および解釈の精度向上が期待される。こうした技術基盤を、より包括的なゲノム診断と将来の精密医療へとつなげることが本研究の目標である。
ヒトの遺伝的多様性を単一の線形リファレンスゲノムのみで十分に表現することには限界があり、特に複雑ゲノム領域ではその影響が顕著である。Japan Pangenome Projectでは、ロングリードシーケンスおよびTelomere-to-Telomere(T2T)ゲノムアセンブリを活用し、日本人集団におけるゲノム多様性をより包括的に捉えるためのパンゲノムリソースの構築を進めている。これにより、従来のショートリード解析では十分に評価することが困難であった領域を解読し、これまで見過ごされてきた配列、構造多型、高度に多型的な遺伝子座の実態を明らかにすることが可能となる。 本講演では、高品質な日本人パンゲノムリソースの構築と、それを集団規模のT2Tゲノム解析へと発展させる現在の取り組みについて紹介する。また、Oxford Nanopore Technologiesを含むロングリードシーケンスが、従来のリファレンスゲノムを前提とした解析の限界をどのように克服し、複雑なゲノム多様性の解明に貢献し得るかについて述べる。 さらに、パンゲノムおよびT2Tゲノム解析の臨床ゲノミクスへの応用可能性について議論する。集団特異的なパンゲノムリファレンスと大規模な疾患ゲノムデータを統合することで、医学的に重要でありながら解析が困難であった領域におけるバリアント検出および解釈の精度向上が期待される。こうした技術基盤を、より包括的なゲノム診断と将来の精密医療へとつなげることが本研究の目標である。
河合 洋介, 国立遺伝学研究所エクソームシーケンシングによる希少疾患の診断率は、対象疾患や症例選択基準によって異なるものの、約8~50%に達することが報告されている。さらに、ショートリード全ゲノムシーケンシング、最新の知見に基づく再解析、RNAシーケンシングとの組み合わせにより、診断率を向上させることが可能である。しかし、それでもなお相当数の患者で遺伝学的原因は未解明のままであり、従来の解析では検出が困難な病的バリアントが存在することが示唆される。ロングリードシーケンシングは、ショートリード技術と比較して、構造バリアントやリピート伸長など特定のタイプのバリアントの検出、反復配列やGCリッチ領域など解析困難なゲノム領域の解析、リードに基づくバリアントのフェージング、さらに追加実験を必要とせずDNAメチル化と遺伝的バリアントを同時に解析できることなど、複数の利点を有する。実際にこれまでの研究から、ロングリードシーケンシングによって従来見逃されていた遺伝的バリアントを同定できることが示されている一方、希少疾患診断におけるその有用性については、いまだ十分なコンセンサスが得られていない。本セッションでは、ロングリードシーケンシングを用いた疾患関連構造バリアント検出の経験を紹介するとともに、希少疾患コホートの解析から得られた知見について議論する。
エクソームシーケンシングによる希少疾患の診断率は、対象疾患や症例選択基準によって異なるものの、約8~50%に達することが報告されている。さらに、ショートリード全ゲノムシーケンシング、最新の知見に基づく再解析、RNAシーケンシングとの組み合わせにより、診断率を向上させることが可能である。しかし、それでもなお相当数の患者で遺伝学的原因は未解明のままであり、従来の解析では検出が困難な病的バリアントが存在することが示唆される。ロングリードシーケンシングは、ショートリード技術と比較して、構造バリアントやリピート伸長など特定のタイプのバリアントの検出、反復配列やGCリッチ領域など解析困難なゲノム領域の解析、リードに基づくバリアントのフェージング、さらに追加実験を必要とせずDNAメチル化と遺伝的バリアントを同時に解析できることなど、複数の利点を有する。実際にこれまでの研究から、ロングリードシーケンシングによって従来見逃されていた遺伝的バリアントを同定できることが示されている一方、希少疾患診断におけるその有用性については、いまだ十分なコンセンサスが得られていない。本セッションでは、ロングリードシーケンシングを用いた疾患関連構造バリアント検出の経験を紹介するとともに、希少疾患コホートの解析から得られた知見について議論する。
水口 剛, 横浜市立大学大学院医学研究科遺伝学ショートリードを用いたターゲットシーケンスでは、構造異常やコピー数異常(SV/CNV)の検出が困難な場合があり、解析結果を得るまでに長い時間を要することがある。本研究では、全国規模の前向き観察研究であるJCCG-WGS研究において、小児血液悪性腫瘍に対する迅速なゲノムプロファイリング手法として、ターゲットアダプティブサンプリング・ロングリードシーケンス(TAS-LRS)の有用性を前向きに評価した。 日本小児がん研究グループ(JCCG)の参加施設から血液悪性腫瘍患者を登録した。ナノポアシーケンスを用いて、血液悪性腫瘍関連遺伝子およびその周辺領域を標的としたTAS-LRSを実施した。解析パイプラインにより、一塩基変異・短い挿入欠失などの小規模変異、SV、CNV、およびDNAメチル化に基づく分類を実施した。 TAS-LRSにより、短期間で臨床的意義のあるゲノム情報を得ることができた。既知の融合遺伝子に加え、IGH::MYC、IGH::CEBPA、TLX3::BCL11Bなど、エンハンサーハイジャックを引き起こすと考えられる非コード領域の複雑な構造異常を同定した。また、iAMP21や近半数体(near-haploidy)など、疾患サブタイプの決定に重要なCNVも検出できた。DNAメチル化に基づく分類も、評価可能な症例の相当数においてゲノム異常に基づくサブタイプ分類を支持する結果となった。 本研究により、前向き多施設共同研究において、TAS-LRSを用いた迅速かつ包括的なゲノムプロファイリングの実施可能性が示された。本手法は、小児造血器腫瘍における病態の理解を深め、さらには治療方針の決定にも活用できる可能性がある。
ショートリードを用いたターゲットシーケンスでは、構造異常やコピー数異常(SV/CNV)の検出が困難な場合があり、解析結果を得るまでに長い時間を要することがある。本研究では、全国規模の前向き観察研究であるJCCG-WGS研究において、小児血液悪性腫瘍に対する迅速なゲノムプロファイリング手法として、ターゲットアダプティブサンプリング・ロングリードシーケンス(TAS-LRS)の有用性を前向きに評価した。 日本小児がん研究グループ(JCCG)の参加施設から血液悪性腫瘍患者を登録した。ナノポアシーケンスを用いて、血液悪性腫瘍関連遺伝子およびその周辺領域を標的としたTAS-LRSを実施した。解析パイプラインにより、一塩基変異・短い挿入欠失などの小規模変異、SV、CNV、およびDNAメチル化に基づく分類を実施した。 TAS-LRSにより、短期間で臨床的意義のあるゲノム情報を得ることができた。既知の融合遺伝子に加え、IGH::MYC、IGH::CEBPA、TLX3::BCL11Bなど、エンハンサーハイジャックを引き起こすと考えられる非コード領域の複雑な構造異常を同定した。また、iAMP21や近半数体(near-haploidy)など、疾患サブタイプの決定に重要なCNVも検出できた。DNAメチル化に基づく分類も、評価可能な症例の相当数においてゲノム異常に基づくサブタイプ分類を支持する結果となった。 本研究により、前向き多施設共同研究において、TAS-LRSを用いた迅速かつ包括的なゲノムプロファイリングの実施可能性が示された。本手法は、小児造血器腫瘍における病態の理解を深め、さらには治療方針の決定にも活用できる可能性がある。
加藤 元博, 東京大学
Mavis Tan, Oxford Nanopore TechnologiesMavis Tan is currently a Senior Clinical Sales Specialist at Oxford Nanopore Technologies. She has over a decade of experience in the life sciences industry - supporting customers in implementing genomics technologies – including Real-Time PCR, microarray, Sanger sequencing, next-generation sequencing and long-read sequencing in both clinical and research settings. She holds a Master’s in Molecular Medicine and an MBA.
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